採択後の設備変更に注意

補助金の申請後や交付決定後に、「予定していた設備が値上がりした」「納期に間に合わないので別の機種に変えたい」「店舗の開設場所を変更したい」という状況が生じることがあります。

このような場合、申請時の計画と異なる内容で契約や発注を進めると、変更後の経費が補助対象として認められない可能性があります。補助金では、採択された後も、申請した事業計画に沿って事業を進めることが原則です。

省力化投資補助金の第7回公募

2026年7月15日現在、中小企業省力化投資補助事業(一般型)は、第7回公募の応募申請を受け付けています。受付は2026年7月1日10時に開始され、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。

この補助金は、人手不足に悩む中小企業等が、IoT、AI、ロボット、センサーなどを活用した設備やシステムを導入し、生産工程やサービス提供方法の省力化を図る取組を支援する制度です。

補助上限額は従業員数により750万円から8,000万円で、大幅な賃上げに取り組む場合は最大1億円まで引き上げられます。補助率は中小企業が原則2分の1、小規模企業者・小規模事業者等は3分の2です。機械装置・システム構築費は必須経費とされ、運搬費、技術導入費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費なども対象経費として示されています。

飲食店の調理工程、建設業者の加工工程、清掃業者の作業管理などに省力化設備を導入する場合も考えられますが、対象となるかは設備の機能、事業計画、省力化効果、申請者の状況によって異なります。

勝手に機種を変更してはいけない

補助金交付候補者として採択されても、申請した経費の全額が確定するわけではありません。採択後に交付申請が審査され、補助対象経費や交付額が確認された後に交付決定が行われます。

中小企業省力化投資補助事業の第5回公募向け「交付決定後の留意事項」では、次のような変更について、計画変更承認申請書を提出し、事務局の承認を受ける必要があるとされています。

  • 経費区分ごとの配分額を変更する場合
  • 交付申請時に予定していた50万円以上の設備や役務を変更する場合
  • 補助事業の内容を変更する場合
  • 事業実施場所を変更する場合
  • 事業の全部又は一部を中止・廃止する場合
  • 補助事業を別の事業者へ承継する場合

計画変更の申請は、原則として変更後の契約や発注を行う前に行い、承認を受けてから事業を実施する必要があります。承認を受けずに進めた場合、補助金の交付を受けられないことがあります。

第7回公募の採択後は、その公募回に適用される最新の交付規程、交付申請の手引き及び交付決定後の資料を改めて確認してください。

設備変更が必要になったときの進め方

設備の変更が必要になった場合は、まず発注を止め、事務局へ早めに相談します。そのうえで、変更理由、変更前後の機種、価格、仕様、省力化効果、納期、事業実施場所などを整理します。

例えば、飲食店で導入予定だった自動調理機が生産終了となった場合でも、別機種を購入すれば当然に補助対象になるわけではありません。新しい機種で申請時と同等以上の省力化効果を説明できるか、補助対象経費として認められるかを確認する必要があります。

許認可が必要な事業では、設備変更が営業許可の要件にも影響しないか確認してください。補助金上は認められる設備でも、保健所、警察、消防、自治体等が定める施設基準を満たさなければ、予定どおり営業を開始できない可能性があります。

営業内容、設備、施設及び所在地等によって必要な許認可が異なるため、事前に所管行政庁へ確認する必要があります。

計画変更は発注前に確認する

交付決定後は、契約、発注、納品、検収、請求、支払い、実績報告という順序を意識して進めます。省力化投資補助金では、交付決定日から18か月以内、かつ採択発表日から20か月以内に補助事業を実施する必要があります。

見積書、契約書、発注書、納品書、検収書、請求書、振込記録、設備写真なども整理して保存しましょう。税務上の処理は税理士、労務や賃金要件は社会保険労務士、契約上の紛争や返還に関する法的判断は弁護士への確認が適切となる場合があります。

補助金は、申請内容を後から自由に変更できる制度ではありません。設備、価格、導入場所又は事業内容を変更する可能性が生じたときは、契約、発注、購入又は支払いを行う前に確認することが重要です。

許認可が必要となる事業では、営業開始前に許認可要件と補助金のスケジュールをあわせて整理してください。

ICY行政書士事務所は、大阪市中央区・本町駅徒歩3分で、補助金申請の相談に対応しています。

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