小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>の第20回公募では、賃金引上げ特例や広報費、相見積もり、事業計画の審査基準などに重要な変更があります。
特に、SNS広告を利用したい事業者や、設備投資・店舗改装などで50万円を超える発注を予定している事業者は、これまでと同じ感覚で申請すると注意が必要です。
第20回の申請受付は2026年11月5日から、申請締切は12月15日17時です。事業支援計画書(様式4)の発行受付は12月4日が締切となっています。
賃金引上げ特例は「給与支給総額3%以上増加」へ
第20回で大きく変わったのが、賃金引上げ特例です。
従来は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げることが基準となっていましたが、第20回では、従業員1人あたりの給与支給総額を3.0%以上増加させることが要件となりました。
具体的には、2028年3月31日を終点とする連続12か月と、その前年同月の12か月を比較します。給与支給総額には給料、賃金、残業代、賞与などが含まれます。
賃金引上げ特例を利用すると補助上限が150万円上乗せされます。通常の補助上限50万円と合わせると最大200万円となり、インボイス特例も併用する場合は最大250万円です。
また、賃金引上げ特例を利用する赤字事業者は、補助率が原則2分の3から4分の3に引き上げられ、赤字賃上げ加点も適用されます。
SNS広告・インターネット広告が「広報費」に
広報費の取扱いも変更されています。
第20回では、従来のチラシ、パンフレット、ポスターなどに加えて、
インターネット広告、バナー広告、SNS広告、SNS運用代行費、インターネットでのプレスリリース配信、デジタルサイネージ広告
などが広報費の対象例として明記されました。
SNSやWeb広告を使って新規顧客を獲得したい事業者にとっては活用しやすくなった部分です。
ただし、広報費だけで申請することはできず、他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。また、広報費として申請できる補助金交付申請額は30万円(税込)が上限です。
単なる会社紹介や求人広告ではなく、補助事業で取り組む商品・サービスの販路開拓につながる広告であることも必要です。
50万円を超える発注は相見積もりに注意
第20回では、発注先を選ぶ際の相見積もりの基準も変わっています。
これまでは1件あたり100万円(税込)を超える発注について相見積もりが求められていましたが、第20回では、発注総額が1件あたり50万円超(税込)の場合、原則として2者以上から見積もりを取得する取扱いとなりました。
例えば、店舗改装工事、機械設備の導入、外注業務などで50万円を超える場合には、最初から複数の発注候補を考えておくことが重要です。
原則として、相見積もりを取得したうえで、より安価な発注先を選定します。事業内容の性質上、複数の見積もりを取得することが難しい場合には、理由書による対応が認められる場合があります。
なお、中古品については金額にかかわらず2者以上の見積もりが必要で、理由書による随意契約は認められていません。
「何を買うか」だけではなく売上増加の根拠が重要
第20回では、事業計画の審査でも客観的な根拠がより明確に求められています。
審査では、自社の経営状況や市場・顧客ニーズを把握しているかに加え、補助事業によって売上高・売上総利益をどのように増加させるのかが確認されます。
例えば、
「新しい設備を導入して売上を増やす」
だけではなく、
「設備導入により1日の生産数を現在の50個から80個へ増やし、新規取引先への販売を開始する」
といったように、現在の実績や販売数量、顧客数、客単価などをもとに計画を組み立てることが重要です。
補助金で購入したい設備や広告を先に決めるのではなく、「どの顧客に、何を販売し、どのように売上につなげるのか」から事業計画を考える必要があります。
第20回公募は早めの準備を
小規模事業者持続化補助金の第20回では、賃金引上げ特例、Web広告、相見積もり、事業計画の審査など、申請実務に直接影響する変更が行われています。
申請にはGビズIDが必要で、さらに12月15日の申請締切より前に、12月4日の事業支援計画書(様式4)の発行受付締切があります。設備や工事を予定している場合は、事業計画の作成とあわせて見積書の準備も進めておくとスムーズです。
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