大阪府内で宅建業を開業する際、親や配偶者が所有する自宅の一室を事務所にして、家賃を抑えたいと考える方もいるでしょう。
結論として、家族名義の住宅でも、一定の条件を満たせば宅建業の事務所として申請できます。
ただし、所有者から口頭で了承を得るだけでは不十分です。書面による使用承諾等に加え、居住部分を通らずに事務所へ入れる動線、生活空間との明確な区分、商号の表示などが必要です。
以下は、2026年10月時点の大阪府知事免許を前提に説明します。
家族名義でも使用権限を書面で示す
大阪府は、親や配偶者など家族の住宅の一部を事務所にする場合、書面による使用承諾書または貸借契約書の提示を求めています。pref.osaka.lg.jp
無償で借りる場合でも、「家族だから自由に使える」という説明だけでは、継続的な使用権限を確認できません。少なくとも次の事項を整理しましょう。
- 建物の所有者
- 宅建業免許の申請者
- 事務所として使用する部屋
- 使用目的
- 使用期間
- 有償か無償か
- 所有者が宅建業の事務所利用を承諾していること
法人で免許を申請する場合は、代表者個人ではなく、申請法人が事務所を使用できる関係になっているか確認します。
賃貸住宅であれば、所有者の承諾に加えて、賃貸借契約で事務所利用が認められているかも重要です。分譲マンションでは、管理規約上、消費者等が出入りする事務所として使用できるかを確認しなければなりません。管理規約で事務所利用が禁止されている場合は、室内を改装しても認められない可能性があります。pref.osaka.lg.jp
生活部分を通らない動線が必要
自宅の一室なら、どの部屋でも事務所にできるわけではありません。
大阪府は、寝室や台所などの居住部分を通らずに事務所へ入れることと、事務所と居住部分が明確に区分されていることを求めています。pref.osaka.lg.jp
必ずしも道路から事務所へ直接入れる専用玄関が必要とは限りません。共用の玄関から廊下を通って事務所へ入る配置でも、途中で居間、台所、寝室などを通らず、事務所入口が明確であれば認められる可能性があります。
一方、次のような配置は問題になりやすいでしょう。
- リビングを横切らなければ事務所へ入れない
- 寝室の一角へ机を置いただけである
- 事務所と生活空間の境界に扉や明確な間仕切りがない
- 家族が日常的に事務所を生活空間として使用する
- 玄関や事務所入口に商号等の表示がない
事務所内には、業務用の机、椅子、書類を保管する設備、来客対応ができる場所、電話等を準備します。申請時点で改装工事中だったり、電話が開通していなかったりする場合は、営業できる事務所として受け付けられないことがあります。
住居全体の平面図と動線写真を準備する
自宅兼事務所の場合、事務所として使用する部屋だけの図面では足りません。
大阪府は、事務所内部のレイアウトを示す間取図と、住居全体を示す平面図を求めています。戸建住宅では、事務所のない階も含めて住居全体の平面図を作成します。
平面図には、次の内容を記載します。
- 各室、台所、浴室、トイレ、廊下、階段等の位置
- 各部屋の出入口とドアの有無
- 事務所として使用する範囲
- 玄関から事務所までの動線
- 写真番号と撮影方向
提出する写真は、申請前6か月以内に撮影した加工していないカラー写真です。建物全景、玄関、商号等の掲示、玄関から事務所までの動線、事務所入口、室内全体、机・ロッカー・応接場所・電話等の設置状況を確認できるよう撮影します。pref.osaka.lg.jp
新規申請では、免許取得前に「宅建業」「不動産売買・仲介」など、すでに宅建業を営業しているような表示をしてはいけません。入口には、申請する正式な商号または名称を掲示します。
物件を整える前に間取りを確認する
自宅を事務所にする場合は、次の順番で準備すると手戻りを減らせます。
- 登記事項証明書等で所有者を確認する
- 使用承諾書または貸借契約書を準備する
- 賃貸借契約や管理規約で事務所利用の可否を確認する
- 住居全体の平面図へ事務所範囲と動線を書き込む
- 生活部分を通らずに入れるか確認する
- 間仕切り、表示、電話、机、保管設備等を整える
- 完成後に写真を撮影して免許申請を行う
申請後に動線や区分の問題が分かると、部屋の変更や追加工事が必要になることがあります。家具を購入したり内装工事をしたりする前に、現在の間取りで事務所要件を満たせるか確認しましょう。
ICY行政書士事務所では、親・配偶者名義の自宅を利用する宅建業免許について、使用関係、間取り、動線、事務所写真など、今回のテーマに関係する行政手続の相談に対応しています。大阪市中央区・本町駅徒歩1分です。
ご相談時は、建物の登記事項証明書、賃貸借契約書や管理規約、住居全体の間取り図、玄関から予定する事務所までの写真をご準備ください。大阪の宅建業免許申請サポートもご確認いただけます。

ご相談はこちら
初回相談無料
許認可・補助金申請・入管手続など、お気軽にお問い合わせください。
ICY行政書士事務所