大阪府で宅建業を開業する場合、専任の宅地建物取引士が必要です。
では、その人が別会社の非常勤役員でも問題ないのでしょうか。
「ほとんど勤務していないから大丈夫」と考える方もいるでしょう。しかし、専任宅建士には常勤性と専従性が求められます。
そのため、他法人の役員や従業員との兼任は原則としてできません。非常勤役員の場合も注意が必要です。
専任宅建士には常勤性と専従性が必要
宅建業者は、事務所ごとに専任宅建士を置く必要があります。
必要な人数は、宅建業に従事する人5人につき1人以上です。
そして、専任宅建士には「常勤性」と「専従性」が求められます。
常勤性とは、その事務所へ継続して勤務することです。また、営業時間中に勤務できることも必要です。
一方、専従性とは、その事務所の宅建業務に専念できる状態をいいます。
そのため、宅建試験に合格しただけでは足りません。宅地建物取引士として登録しているだけでも不十分です。
有効な宅地建物取引士証を持つ必要があります。さらに、申請する事務所へ常勤できることが必要です。
大阪府の「宅地建物取引業免許申請の手引」でも、常勤性が求められています。たとえば、別企業の従業員や公務員は認められない例です。
また、複数の事務所で専任宅建士を兼ねることもできません。
代表者と専任宅建士では兼任の考え方が違う
ここで注意したいのが、会社代表者との違いです。
宅建業免許を申請する会社の代表者が、他法人の役員を兼ねるケースがあります。
この場合、他法人では非常勤であることなどを確認します。そのうえで、代表権を常に行使できる状態なら認められる場合があります。
また、代表者が常勤できないケースもあります。その場合は、政令使用人を置く方法があります。
一方、専任宅建士には常勤性と専従性が必要です。
大阪府のFAQでも、この点が示されています。同じ建物内の別法人でも、役員や従業員との兼務はできないとされています。
つまり、「非常勤役員だから問題ない」とは限りません。
代表者の兼任と専任宅建士の兼任は、分けて考えましょう。
同じ会社の別業務なら認められる場合もある
ただし、すべての兼務が禁止されるわけではありません。
たとえば、宅建業と建設業を同じ法人で営む場合です。
同じ建物で勤務する場合、建設業の営業所技術者等を兼ねられるケースがあります。
ただし、双方の業務に支障がないことが前提です。また、勤務実態や業務量なども確認されます。
この場合、通常の書類だけでは足りないことがあります。
「法令による専任業務の兼務に関する申立書」などが必要になる場合があります。
ただし、申立書を出せば必ず認められるわけではありません。実際の勤務状況を踏まえて判断されます。
また、同じ建物で行政書士などを営む場合もあります。自分で業務時間を調整できるケースです。
この場合も、申立書による審査の対象となることがあります。
一方、他法人に雇用されている場合は別です。同じようには扱われません。
また、テレワークが可能という理由だけでは足りません。他社との兼任が当然に認められるわけではありません。
宅建業免許を申請する前に確認すること
他社の非常勤役員を専任宅建士にする場合、まず現在の勤務状況を確認しましょう。
他社の役員なのか、従業員なのかも重要です。また、個人事業を行っているかも確認します。
そのうえで、次の順番で整理すると分かりやすくなります。
- 現在の役員・雇用関係を確認する
- 他社での勤務実態を整理する
- 大阪府へ事前に確認する
- 必要であれば他社役員を退任する
- 有効な宅地建物取引士証を確認する
- 略歴書や申立書などを準備する
役員退任に登記が必要な場合があります。その場合の登記手続は司法書士へ確認しましょう。
また、すでに宅建業を営んでいる会社は注意が必要です。
専任宅建士が退職することもあります。その結果、必要人数を満たさなくなるケースがあります。
この場合は、2週間以内に必要な措置を取る必要があります。また、専任宅建士の変更届も必要です。
そのため、後任者を決めるだけでは足りません。後任者の常勤性や専従性も確認しておきましょう。
ICY行政書士事務所では、専任宅建士の要件確認を行っています。また、宅建業免許の新規申請や変更届にも対応しています。
ご相談の際は、宅地建物取引士証をご準備ください。あわせて、職歴や他社での役職もお知らせください。他社で勤務している場合は、勤務時間も確認します。
ICY行政書士事務所は大阪市中央区・本町駅徒歩1分です。大阪府の宅建業免許や専任宅建士に関する行政手続をご相談いただけます。

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