風俗営業1号の許可を受けてスナックやラウンジなどを営業している店舗で、「客席を広げたい」「店内に新しい壁を作りたい」「照明やスピーカーを交換したい」と考えることがあります。
このとき注意したいのが、風俗営業許可を取得した後の内装変更です。
結論からいうと、店舗の変更内容によって「事前の変更承認が必要なもの」「変更後の届出でよいもの」「手続が不要なもの」に分かれます。単なる改装だと思って工事を先に進めるのではなく、工事内容を決めた段階でどの手続に該当するか確認することが重要です。
客室や間仕切りを変えるなら事前承認を確認
大阪府警察は、風俗営業者が営業所の構造・設備について、軽微な変更を除く増築や改築などを行おうとするときは、あらかじめ公安委員会の承認を受ける必要があると案内しています。
具体的には、次のような変更が対象です。
・客室の位置、数または床面積を変更する
・壁やふすまなど、営業所内部を仕切る設備を変更する
・大規模な修繕や模様替を行う
・営業方法の変更に伴って構造や設備を変更する
例えば、「店内を広く見せるため既存の間仕切り壁を撤去する」「一つの客室を壁で二つに分ける」といった工事は、単なる模様替えとして工事後に届け出ればよいとは限りません。
この区分では「変更しようとするとき」にあらかじめ承認を受ける必要があります。したがって、工事を完成させてから警察署へ相談するという順番ではなく、設計段階で確認する必要があります。
変更承認申請では、変更内容に応じて、営業方法を記載した書類、営業所の使用権限を示す書面、営業所の平面図や周囲の略図などが必要になります。
照明や音響設備の変更は「軽微な変更」でも届出が必要
事前承認までは必要なくても、変更後に届出が必要になるケースがあります。
大阪府警察では、営業所の小規模な修繕・模様替え、作り付けではない家具の設置・入替え、照明設備、音響設備、防音設備の変更などを、届出が必要となる軽微な変更の例として挙げています。
ここで注意したいのが届出期限です。
通常の軽微な構造・設備変更については、変更があった日から1か月以内です。一方、照明設備、音響設備または防音設備の変更については、変更があった日から10日以内とされています。
例えば、店内演出のために照明設備そのものを変更した場合や、音響設備を別の性能のものへ変更した場合には、「店舗面積を変えていないから何もしなくてよい」と判断しないようにしましょう。
風俗営業では照度や騒音・振動なども構造設備基準と関係します。設備変更と許可条件を切り離して考えないことが大切です。
電球交換や椅子の配置変更なら手続不要の場合もある
店舗内を少し変更するたびに必ず届出が必要になるわけではありません。
大阪府警察では、例えば割れたガラスや破れた壁紙の原状回復、同一の規格・性能の範囲で行う照明・音響設備等の更新、営業所内の見通しを妨げない程度の軽微な椅子・テーブル等の配置変更などについては、一定の場合に届出不要としています。
例えば、切れた電球を従前と同じワット数のものへ交換する場合や、故障したスピーカーを従前と同じ音響パワーレベルのものへ交換する場合などです。
ただし、「設備を交換した」という外形だけで判断することはできません。同じ場所への交換でも、性能や店舗構造への影響が変われば取扱いが異なる可能性があります。
そのため、判断に迷う設備工事では、現在の店舗図面と変更後の図面、交換する設備の仕様などを用意して確認すると分かりやすくなります。
内装業者へ発注する前に変更内容を図面にする
風俗営業許可後に店舗を改装する場合は、まず「何を、どこまで変えるのか」を具体化してください。
特に客室面積、壁・間仕切り、出入口、照明、音響、防音設備などを変更する場合には、現在の許可時の図面と変更予定図面を比較できるようにしておくと、必要な手続を判断しやすくなります。
そのうえで、
「工事前に変更承認が必要なのか」
「工事後の変更届でよいのか」
「届出不要の変更なのか」
を確認してから工事日を決めるのが安全です。
風俗営業の構造・設備の変更は、一般的な店舗リフォームとは違い、許可を受けた営業所の内容そのものに関係します。内装業者との契約や着工前に、行政手続との順番まで整理しておくことがポイントです。
ICY行政書士事務所は、大阪市中央区・本町駅徒歩1分にあり、風俗営業許可の新規申請だけでなく、許可後の構造・設備変更に伴う変更承認申請や変更届についてもご相談いただけます。
ご相談の際は、現在の許可証、許可申請時の店舗平面図、変更予定箇所が分かる図面や写真、工事内容、変更する設備の仕様などをご用意いただくと確認がスムーズです。

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