大阪府知事の宅建業免許を受けて営業している会社が、事業拡大のため兵庫県にも宅建業の支店を設置しようとすることがあります。
この場合、「大阪府知事免許のまま支店追加の変更届を出せばよい」と考えるのは適切ではありません。大阪府内の事務所を残したまま兵庫県にも宅建業法上の事務所を設けるのであれば、2以上の都道府県に事務所を置くことになるため、原則として国土交通大臣免許への免許換えが必要です。
取引する地域ではなく「事務所」で決まる
知事免許と大臣免許の区分は、どこの物件を仲介するかでは決まりません。
大阪府内にしか事務所がない大阪府知事免許の宅建業者でも、兵庫県や京都府の物件を取り扱うことはできます。
一方、大阪府の本店を残したまま兵庫県に宅建業法上の支店を設置すると、事務所が2つの都道府県にまたがります。この場合は国土交通大臣免許への免許換えが必要です。大阪府も、他府県へ事務所を開設する場合は知事免許から大臣免許への免許換えになると案内しています。
反対に、大阪府の事務所をすべて廃止し、兵庫県だけに事務所を移す場合は、国土交通大臣免許ではなく、兵庫県知事免許への免許換えが問題になります。
兵庫支店で宅建業を始める前に要件を整える
新しい支店を登記しただけで、その場所ですぐ宅建業を開始できるわけではありません。
宅建業法上の事務所として使用する場合は、事務所の継続性・独立性のほか、専任の宅地建物取引士などの人的体制を整える必要があります。支店で契約締結権限を持つ人の配置関係も確認します。
大阪府のFAQでは、事務所を増設する場合について、政令で定める使用人、専任の宅地建物取引士、事務所要件、追加の営業保証金等を確認するよう案内しています。
専任宅建士は本店と支店を同時に専任することはできません。兵庫支店用の人員を確保できるかは、物件契約と並行して確認しておきましょう。
また、支店として借りるオフィスが宅建業法上の事務所として認められるかについても、単に法人登記が可能かどうかだけでは判断できません。
大臣免許への申請先は近畿地方整備局
大阪府知事免許から国土交通大臣免許へ免許換えする場合、現在は大阪府を経由して大臣免許を申請する制度ではありません。
2024年5月25日から都道府県経由事務が廃止され、大臣免許の申請は本店所在地を管轄する地方整備局へ直接、郵送またはオンラインで提出します。大阪に本店を置く会社であれば近畿地方整備局が申請先です。
免許換えでは、新たな免許権者に対する申請とともに、現在の大阪府知事免許について未提出の変更届がないかも確認する必要があります。
新しい大臣免許を受けると、従前の知事免許はその効力を失います。これは宅建業法第7条に定められているため、通常の廃業と免許換えを混同しないようにしてください。
支店契約前に配置と申請日程を確認する
兵庫県への支店進出を考えている場合は、最初に「その場所で宅建業を行うのか」を確認します。単なる倉庫や宅建業を行わない事務スペースと、宅建業法上の事務所は扱いが異なります。
宅建業の支店とする場合は、物件、専任宅建士、支店責任者、営業保証金または保証協会関係の手続、現在の免許の有効期限などを整理し、免許換えの日程を組みます。
免許換えが必要なケースで、通常の支店追加の変更届だけを提出して営業を始めないよう注意してください。
ICY行政書士事務所では、大阪府知事免許から国土交通大臣免許への免許換えを含む宅建業免許の行政手続について相談に対応しています。大阪市中央区・本町駅徒歩1分です。
ご相談の際は、現在の宅建業免許証、大阪府内の事務所の状況、新設予定の支店住所、賃貸借契約書案、配置予定の専任宅建士と支店責任者の情報をご用意いただくと、必要な手続を整理しやすくなります。

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