解体木材や廃材を高く積み上げたトラックが、インターネット上で「クルドカー」と呼ばれることがあります。

掲載写真の車両も、荷台いっぱいに木材や廃材を積み、運転席の屋根よりかなり高い位置まで積荷が達しています。見た目だけなら、「明らかな過積載ではないか」と感じる方も多いでしょう。
しかし、法律上の過積載は、荷物の高さや体積ではなく、車検証に記載された最大積載量を実際の積載重量が超えているかによって判断されます。
そのため、この写真だけで過積載と断定することはできません。
過積載は見た目ではなく重量で決まる
道路交通法は、車両ごとに定められた積載重量の制限を超えて運転することを禁止しています。
基準になるのは、車検証に記載された「最大積載量」です。最大積載量が2,000キログラムの車両であれば、積んでいる荷物の重量が2,000キログラムを超えた時点で過積載になります。
計算自体は単純です。
実際の積載重量-最大積載量=超過重量
例えば、最大積載量2トンの車両に2.5トンの荷物を積んでいれば、500キログラムの過積載です。
もっとも、一般に「2トントラック」と呼ばれている車両でも、すべての最大積載量が正確に2トンとは限りません。荷台の形状、架装、クレーンなどの装備によって最大積載量は変わります。
したがって、過積載かどうかを判断するには、まず当該車両の車検証を確認する必要があります。
掲載写真のトラックは過積載なのか
写真の車両は、小型トラックに大量の廃木材を積んでいるように見えます。
ただし、木材の重量は、種類や大きさだけでなく、乾燥状態や水分量によって大きく変わります。解体材に金属、コンクリート、石こうボードなどが混ざっている場合は、さらに重くなります。
反対に、積荷の間に大きな隙間があり、乾燥した木材が中心であれば、見た目ほど重量がない可能性もあります。
写真から分かるのは、荷物の体積が非常に大きいことです。重量そのものは分かりません。
この車両について過積載を確認するには、積載した状態で車両を計量し、車両自体の重量や乗員などを差し引いて、実際の積載重量を求める必要があります。
したがって、掲載写真についての正確な評価は、次のようになります。
過積載の疑いを持たれても不自然ではない積載量であるが、写真だけでは最大積載量の超過を確認できないため、過積載とは断定できない。
法律の基準が曖昧なのではありません。写真だけでは、その基準に当てはめるための重量が分からないということです。
警察はどのように過積載を確認するのか
過積載が疑われる車両に対しては、警察官が停止を求め、車検証などの提示を求めることがあります。
そのうえで、車両重量を測定し、車検証の最大積載量と照合します。
写真を見て警察が直ちに「過積載」と判断するのではなく、車検証と計量結果を確認して違反を認定するのが基本です。
運転者が「木材だから軽い」「いつもこの程度は積んでいる」と説明しても、実際の重量が最大積載量を超えていれば過積載になります。
反対に、見た目が大量であっても、実測重量が最大積載量以内であれば、重量に関する過積載にはなりません。
過積載でなくても問題になる可能性がある
過積載でなければ、写真のような積み方がすべて適法になるわけではありません。
トラックの積載については、重量とは別に、積荷の高さ、前後左右へのはみ出し、荷物の固定方法などにも制限があります。
一般的な自動車では、積載物の上端は原則として地上3.8メートル以内とされています。
掲載写真では、積荷が運転席の屋根よりかなり高い位置まで達しています。2トンクラスの標準的な小型トラックは、運転席の屋根までがおおむね2メートル前後です。
ただし、写真は斜め後方から撮影されており、遠近法の影響もあります。路面から積荷の最上部までの実測値がない以上、3.8メートルを超えているとまでは断定できません。
後方や側方へのはみ出しについても同様です。
荷物が荷台から少し出ていること自体は違法ではありません。一般的な自動車では、一定の範囲まで前後左右にはみ出して積むことが認められています。
ただし、基準となるのは荷台の端ではなく、車体全体の長さや幅です。掲載写真だけでは、車体後端から木材が何センチメートル出ているかを正確に測ることはできません。
写真で最も気になるのは荷物の固定
掲載写真では、荷台の側面や下部にロープが掛けられていることは確認できます。
一方で、積荷の上部には、長い木材や不規則な形状の廃材が重ねられています。上部の木材まで十分に固定されているか、小さな破片が走行中に落下しない状態になっているかは、写真からは確認できません。
道路交通法は、積載物が転落または飛散しないよう、運転者に必要な措置を求めています。
法律上、必ず荷台全体をシートで覆わなければならないわけではありません。重要なのは、ロープ、ベルト、ネット、シートなどを使い、実際に荷物が落下しない状態になっているかです。
掲載写真については、ロープが見えるという理由だけで安全とはいえませんが、写真だけを見て固定措置義務違反と断定することもできません。
現場では、上部の積荷が荷台に固定されているか、急ブレーキやカーブで荷崩れしないか、小さな木片が隙間から落ちないかを確認する必要があります。
「明らかに違法」とはいえないが、確認すべき点は多い
この写真から過積載を断定することはできません。
過積載の判断には、車検証上の最大積載量と、計量によって確認した実際の積載重量が必要だからです。
一方で、この車両について、何も問題がないと判断できるわけでもありません。
積荷の高さ、車体からのはみ出し、上部の木材の固定状況については、実際に測定し、確認する必要があります。
専門的には、次のように整理するのが妥当です。
掲載写真の車両は、積載量の外観から過積載が疑われるものの、実測重量が不明であるため、道路交通法上の過積載とは断定できない。また、積荷の高さ、はみ出し及び転落・飛散防止措置についても確認を要するが、写真だけでは違反の成立までは判断できない。
まとめ
いわゆる「クルドカー」が違法かどうかは、荷物の見た目だけでは決まりません。
過積載かどうかは、車検証の最大積載量と実際の積載重量を比較して判断します。
掲載写真ほど大量に廃材を積んでいても、計量結果がなければ過積載とは断定できません。ただし、見た目から過積載を疑われることには相応の理由があり、警察による計量の対象となり得る状態だとはいえます。
また、重量が最大積載量以内であっても、高さやはみ出しが制限を超えていたり、荷物の固定が不十分であったりすれば、別の交通違反になる可能性があります。
この写真についての結論は、過積載の可能性は検討できるが、違法と断定するには車検証、重量測定、寸法測定及び固定状況の確認が必要であるということになります。
コメントを残す