飲食店や小売店の開業準備を進めているものの、まだ店舗はオープンしていない。このような段階でも、小規模事業者持続化補助金〈創業型〉を申請できるのでしょうか。
結論からいうと、開業届に記載した開業日が申請日以前であれば、まだ商品やサービスの提供を始めていなくても、申請できる可能性があります。
ただし、開業届を提出しただけで対象になるわけではありません。特定創業支援等事業を受けた時期、開業日、従業員数などの要件も確認する必要があります。
開店前でも対象になる可能性がある
小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回の公募要領では、申請時点で事業活動を始めていない事業者も、補助対象になり得るとされています。
具体例として挙げられているのは、次のような事業者です。
- 店舗のオープン準備をしている
- ECモールへの出店を準備している
- 販売先への営業活動をまだ開始していない
したがって、店舗の賃貸借契約や開業届の提出は済んでいるものの、内装工事や設備の準備中で、まだ一般客への営業を始めていない場合でも、申請対象となる可能性があります。
ただし、補助事業の終了までには、商品またはサービスの提供を開始し、実際に事業活動を始めなければなりません。最後まで開店しなかった場合は補助金が交付されず、交付後に判明すれば交付決定が取り消されます。
詳しい取扱いは、小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回公募要領で確認できます。
申請日時点で「開業済み」でなければならない
「まだ開店していなくても申請できる」という取扱いは、開業前の創業予定者まで対象になるという意味ではありません。
個人事業主の場合、開業届に記載された開業日が申請日より後になっていると対象外です。申請より前に開業届だけ提出していても、届出上の開業日が未来の日付であれば申請できません。
法人の場合も、申請時点で会社が設立されている必要があります。法人の設立予定者が個人名義で先に申請し、採択後に会社を設立するという進め方はできません。
つまり、次のように区別する必要があります。
- 開業届上の開業日は過ぎているが、店舗は準備中
→対象になる可能性がある - 会社は設立済みだが、商品やサービスの提供前
→対象になる可能性がある - 開業届上の開業日が申請日より後
→対象外 - 申請時点では会社をまだ設立していない
→法人としては申請できない
「税務署へ書類を提出した日」ではなく、開業届の開業日や登記事項証明書の会社成立年月日を確認することが重要です。
第4回は開業日と支援を受けた日の両方に期間要件がある
創業型第4回では、開業日または会社成立年月日が、2025年12月15日から2026年12月15日までの期間内に入っている必要があります。
さらに、特定創業支援等事業による支援を受けた日も、同じ期間内でなければなりません。開業日は対象期間内でも、特定創業支援等事業を受けた時期が古い場合には要件を満たさない可能性があります。
法人の場合は代表取締役や代表社員、個人事業の場合は個人事業主本人が支援を受けていることが必要です。代表者以外の役員、従業員、家族専従者が受講しても、申請要件を満たしません。
また、個人事業を法人化した場合は、法人設立日だけで判断されません。個人事業の開業日から1年を経過している場合は、設立した法人が新しくても創業型を申請できないため注意が必要です。
大阪市では特定創業支援等事業の受講に1か月以上かかる
創業型を申請するには、認定市区町村が発行する「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」の写しが必要です。
大阪市では、対象となる創業支援を4回以上、かつ1か月以上にわたって受け、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を習得することが基本となります。証明書の交付申請から発行までも、おおむね10日程度かかると案内されています。
そのため、公募を知ってからすぐ証明書を取得できるとは限りません。受講していない場合は、利用できるプログラムと日程を早めに確認する必要があります。
大阪市の対象事業と証明書の申請方法は、大阪市の特定創業支援等事業の案内で確認できます。
なお、この証明書は、特定創業支援を受けた事実を証明するものです。証明書を取得しただけで、持続化補助金の対象者になることや採択されることが保証されるわけではありません。
決算書や確定申告書がない場合の提出書類
創業したばかりで一度も決算期を迎えていない法人は、直近の貸借対照表や損益計算書を提出できません。
この場合、すでに事業活動を始めている法人は、設立後に売上が発生したことを確認できる売上台帳などを提出します。個人事業主も、確定申告前であれば、開業後の売上台帳などで対応します。
一方、店舗のオープン準備中など、まだ事業活動を始めていない事業者については、申請時点で売上台帳を提出するのではなく、実績報告時に売上の発生を確認できる資料を提出する取扱いです。
申請時には、このほか次のような書類が必要になります。
- 経営計画書兼補助事業計画書
- 補助事業計画書
- 商工会または商工会議所が発行する事業支援計画書
- 特定創業支援等事業の証明書
- 開業届または登記事項証明書
- 宣誓・同意書
書類の種類は、法人、個人事業主、NPO法人で異なります。
創業型第4回の補助上限と申請期限
創業型第4回の補助率は3分の2、補助上限は200万円です。一定のインボイス特例の要件を満たす場合は、補助上限が50万円上乗せされます。
対象経費には、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、新商品開発費、借料、委託・外注費などがあります。
主な日程は次のとおりです。
- 申請受付開始:2026年11月5日
- 事業支援計画書の発行受付締切:2026年12月4日
- 申請受付締切:2026年12月15日17時
- 採択発表:2027年3月ごろの予定
- 補助事業実施期限:2028年3月31日
申請は電子申請のみで、GビズIDプライムが必要です。事業支援計画書の発行依頼は申請締切より早く終了するため、12月15日だけを見て準備を進めると間に合わない可能性があります。
GビズIDをまだ取得していない場合は、GビズIDは申請直前では遅い?補助金申請前に準備すべき理由もご確認ください。
開店準備中の事業者は日付と手続の順番を確認する
開業届を提出済みで、まだ店舗やECサイトをオープンしていない場合でも、創業型を申請できる可能性があります。
ただし、開業日と特定創業支援を受けた日が対象期間内であること、申請時点で開業済みであること、補助事業終了までに実際の事業活動を始めることが必要です。
設備の購入や内装工事を急いでいても、原則として交付決定前に契約、発注、支払いをした経費は補助対象になりません。開店予定日と補助金のスケジュールが合うかについても、申請前に確認しましょう。
ICY行政書士事務所では、大阪の補助金申請サポートに対応しています。大阪市で創業型の活用を検討している場合は、開業届または登記事項証明書、特定創業支援の受講資料、開店予定日、導入予定の設備や広告内容をご用意いただくと、申請要件を整理しやすくなります。

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