許可証に「石綿含有産業廃棄物を除く」とある会社はアスベスト廃材を運べる?

大阪府の産業廃棄物収集運搬業許可を持つ建設会社が、解体現場から石綿を含むスレート板や石膏ボードの運搬を依頼されたものの、許可証を見ると「石綿含有産業廃棄物を除く」と記載されていることがあります。

結論として、この許可内容のまま石綿含有産業廃棄物を運搬することはできません。大阪府へ事業範囲変更許可を申請し、「除く」から「含む」へ変更する許可を受けてから受託します。

車両や運搬容器を用意しただけでは足りず、通常の変更届で追加できる内容でもありません。

この記事では、積替え・保管を含まない産業廃棄物収集運搬業許可を対象とします。

「がれき類」の許可だけでは石綿含有廃棄物を運べない

石綿含有産業廃棄物は、工作物の新築、改築または除去に伴って生じた産業廃棄物で、石綿を重量の0.1%を超えて含むものです。廃棄物の性状に応じて、がれき類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類などに該当します。

しかし、許可証に該当する産業廃棄物の種類が記載されていても、「石綿含有産業廃棄物を除く」とされていれば運搬対象にはなりません。

2026年4月版の大阪府「産業廃棄物収集運搬業許可の手引き」でも、「除く」を「含む」に変えるには変更許可申請が必要だと明記されています。

元請業者から運搬を急いでほしいと言われても、申請中に先行して運搬することはできません。許可を受けるまでの期間は、必要な許可範囲を持つ別の収集運搬業者へ委託するなどの対応を検討します。

「廃石綿等」は別の特別管理産業廃棄物

石綿を含む廃棄物がすべて同じ区分になるわけではありません。

吹付け石綿、石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆材など、飛散性が高い「廃石綿等」は特別管理産業廃棄物です。通常の産業廃棄物収集運搬業許可で石綿含有産業廃棄物を「含む」に変更しても、廃石綿等を運搬できるようにはなりません。

廃石綿等を他人から委託されて運搬するには、特別管理産業廃棄物収集運搬業の該当する許可を別に確認する必要があります。

依頼を受けた段階で、事前調査結果や廃棄物の種類、建材の状態を確認し、非飛散性の石綿含有産業廃棄物なのか、廃石綿等なのかを区別してください。

変更許可では廃棄物の種類と運搬方法を整理する

変更許可申請では、現在の許可内容に加え、石綿含有産業廃棄物を含める産業廃棄物の種類、排出事業場、予定運搬先、運搬量、車両・容器などを整理します。

大阪府知事許可の産業廃棄物収集運搬業に関する変更許可申請手数料は71,000円です。手引きでは標準処理期間を60日としているため、受注予定日から逆算して準備しましょう。

運搬車両にも注意が必要です。大阪府は、塵芥車、いわゆるパッカー車による石綿含有産業廃棄物の運搬を認めていません。

また、環境省の石綿含有廃棄物等処理マニュアルに基づき、破砕せず、他の廃棄物と混合しないよう区分し、シートや容器で覆うなど飛散防止措置を講じます。石綿含有仕上塗材が粉状・汚泥状になったものは、耐水性の袋等による二重梱包が必要です。

許可証と処分先を確認してから申請する

変更許可を準備するときは、次の順番で確認します。

  1. 現在の許可証で「含む・除く」の記載を確認する
  2. 運搬する建材と産業廃棄物の種類を確認する
  3. 廃石綿等に該当しないか確認する
  4. 処分先が対象廃棄物を受け入れられるか確認する
  5. 車両、容器、飛散防止方法を決める
  6. 必要な許可権者へ変更許可を申請する

大阪府外でも積込みや荷下ろしをする場合は、その地域の許可内容も確認してください。大阪府の許可だけを変更しても、他府県の許可証が「石綿含有産業廃棄物を除く」のままでは、その地域で取り扱えません。

ICY行政書士事務所では、大阪府の産業廃棄物収集運搬業許可について、石綿含有産業廃棄物を追加する変更許可、廃棄物の種類や必要な許可権者の整理をご相談いただけます。大阪市中央区・本町駅徒歩1分です。現在の許可証、事前調査結果、運搬予定の廃棄物・排出場所・処分先、使用車両の資料をご準備のうえ、大阪の産業廃棄物収集運搬業許可サポートをご確認ください。

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