省力化補助金の発注時期

人手不足を解消するため、自動調理機、包装機、搬送設備、清掃ロボット、業務管理システムなどを導入したい。しかし、補助金を利用する場合、いつ設備を発注してよいのか分からないという事業者は少なくありません。

特に、営業許可や登録を必要とする事業では、設備の発注時期だけでなく、許認可申請、工事、検査、営業開始の順序も整理する必要があります。

第7回公募は7月31日締切

中小企業省力化投資補助事業(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等が、IoT、AI、ロボット、センサーなどのデジタル技術を活用した設備やシステムを導入し、生産・業務プロセスを省力化する取組を支援する制度です。

2026年7月14日現在、第7回公募の申請を受け付けています。

申請締切は2026年7月31日17時、採択発表は2026年11月中旬の予定です。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要となるため、未取得の場合は早めの手続が必要です。

補助上限額は従業員数に応じて750万円から8,000万円です。大幅な賃上げに関する特例を適用した場合は、1,000万円から最大1億円まで引き上げられます。

補助率は、中小企業が原則2分の1、小規模企業者・小規模事業者及び再生事業者が3分の2です。中小企業についても、最低賃金引上げ特例の要件を満たす場合は3分の2となります。

採択されても発注はできない

注意したいのは、「採択」と「交付決定」は別の手続であることです。

採択は、審査によって補助金交付候補者に選ばれた段階です。採択後、見積書や賃貸借契約書、賃金台帳などを提出して交付申請を行い、その内容が審査された後に交付決定を受けます。

設備の契約、発注、購入を開始できるのは、交付決定通知書に記載された交付決定日以降です。交付決定前に発生した経費は、理由を問わず補助対象外とされ、事前着手は認められていません。

一方、申請準備として、設備の仕様を検討し、参考見積書、カタログ、提案書、仕様書などを取得することは必要です。応募申請時には、導入予定の50万円以上の設備について、仕様や積算根拠が分かる資料を提出します。

契約先または発注先1者当たりの見積額が税抜50万円以上になる場合は、交付申請時に同一条件による相見積もりを取得することが原則です。

店舗工事や車両は対象外に注意

一般型では、単価50万円以上の機械装置・システムへの設備投資を少なくとも一つ行う必要があります。

対象経費には、機械装置・システム構築費のほか、運搬費、技術導入費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費などがあります。ただし、申請すればすべて認められるわけではありません。

例えば、土地や建物の取得費、設置場所の整備工事や基礎工事、家賃、敷金、保証金、自動車等の車両、汎用パソコン、スマートフォン、中古設備、補助金申請書類の作成費用などは補助対象外です。

飲食店や食品製造業で機械を導入する場合、機械自体が補助対象となる可能性はあっても、保健所の施設基準を満たすための床、壁、給排水設備などの工事まで補助対象になるとは限りません。

また、補助金の採択や交付決定を受けても、飲食店営業許可、建設業許可、旅館業許可などを取得したことにはなりません。反対に、許認可上必要な設備であっても、補助金上の対象経費になるとは限らないため、両者を分けて確認する必要があります。

入金までの資金も準備する

交付決定後は、設備の契約、発注、納品、検収、支払いを行い、実績報告を提出します。事務局が実績報告を確認して補助金額を確定し、事業者が請求した後に補助金が交付されます。

交付決定額の全額が支払われるとは限りません。証拠書類の不足や申請内容と異なる支出がある場合は、補助対象経費が減額される可能性があります。

設備代金は、原則として事業者が先に支払うことになります。見積書、契約書、発注書、請求書、納品書、検収書、振込記録などを一連の資料として保存し、補助金が入金されるまでの資金繰りも確認しておくことが重要です。

許認可を必要とする事業では、設備を契約する前に、補助金の交付決定時期、設備の納期、許認可申請の時期、行政による検査、営業開始予定日を一つの工程表に整理してください。

ICY行政書士事務所は、大阪市中央区・本町駅徒歩3分で、補助金申請の相談に対応しています。補助金と許認可の両方が関係する場合は、契約や発注を行う前の早い段階で確認することが重要です。

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