大阪市では、私立保育園や認定こども園の老朽化した建物を改修する際に、工事費の一部を補助する制度が設けられています。
対象となるのは屋根の修理だけではありません。外壁、床、給排水設備、空調設備、消防設備なども、一定の条件を満たせば補助対象になります。
ただし、保育園・認定こども園・幼稚園では、利用できる制度が異なるため注意が必要です。
1.私立保育園の大規模改修費補助金
大阪市の「民間保育所等大規模改修費補助金」は、民間の認可保育所と保育所型認定こども園を対象とする制度です。
主な対象工事には、老朽化した屋根や外壁、床、柱、梁などの改修工事のほか、給排水設備、電気設備、ガス設備、冷暖房設備、消防設備などの更新工事があります。
通常の大規模改修では、補助対象経費500万円以上が必要で、補助率は4分の3です。補助対象経費の上限は3,000万円のため、計算上の補助額は最大2,250万円となります。
さらに、耐震補強工事は対象経費の上限が1億円、感染症対策工事は500万円と、工事の種類によって異なります。
対象施設は原則として設置から10年以上経過していることが必要で、過去に施設整備補助金を受けた場合には、その後の経過年数にも条件があります。また、施設を運営する社会福祉法人等が建物を所有していることも重要な要件です。
2.認定こども園の大規模改修費補助金
認定こども園には、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4種類があります。
このうち大阪市の「認定こども園大規模改修費補助金」は、幼保連携型と幼稚園型を対象としています。保育所型については、前述の民間保育所等大規模改修費補助金の対象です。
幼保連携型・幼稚園型の補助制度でも、屋根や外壁、床の改修、老朽化した設備の改修などが対象となり、通常の大規模改修の補助率は4分の3、補助対象経費の上限は3,000万円です。
ただし、学校教育部分と保育部分で共用する設備などを改修する場合、定員や面積に応じた工事費の按分が必要になることがあります。
また、認定こども園の要綱では、過去に施設整備補助金を受けている場合、原則としてその交付から10年以上経過していることなどが求められます。
3.私立幼稚園の施設整備費補助金
学校法人が設置する私立幼稚園では、国の「私立学校施設整備費補助金」を利用できる場合があります。
主な対象工事は、耐震補強、防犯設備の設置、バリアフリー化、エコ改修、トイレの衛生環境改善、園舎の新築・増築・改築などです。
補助率は原則3分の1ですが、耐震性能が著しく低い建物の補強や特別防犯対策など、一部の事業では2分の1となります。
保育園の制度と大きく違うのは、老朽化した設備や建物の修理であれば何でも対象になるわけではないことです。
例えば、屋根の張替えは屋根材の落下防止など耐震対策を目的とする場合は対象になりますが、単なる雨漏り対策は対象外です。一方、省エネルギー化を目的とした屋根の断熱改修は対象となる場合があります。
なお、幼稚園型認定こども園や幼保連携型認定こども園は、通常の私立幼稚園向け補助金の対象外となるため、別制度を確認する必要があります。
4.申請前に確認したい注意点
大阪市の大規模改修補助金では、原則として3者以上の見積書、建物の登記簿、工事前後の図面、現況写真、事業計画書などが必要です。
また、補助金は申請すれば必ず受け取れるわけではありません。工事の必要性や法人の財務状況、予算枠などが審査されます。
特に重要なのは、工事を始める前に制度の確認と申請を行い、交付決定を受けることです。交付決定前に工事を進めると、補助対象外になるおそれがあります。
施設の改修を検討している場合は、工事の見積りを依頼する前の段階から、利用可能な補助制度を確認しておくことが大切です。
ICY行政書士事務所では、大阪市内の保育施設や幼稚園の施設整備に関する補助金のご相談に対応しています。

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